大人も子供も夢を見続けること。「ゆめかわ」に込めた思い
流山市の中心部に位置するキッコーマンアリーナで、ひときわ華やかなイベントが行われた。
イベント名は「Candy marche(キャンディ・マルシェ)」。
アリーナ中では、アクセサリー、布小物、編み物雑貨、おもちゃ、ドライフラワー、キャンドルなど、数々のハンドメイドが軒を連ねる。出店するその数は実に75店以上。まさに流山市最大級のハンドメイドイベントとなり、大盛況のうちに幕を閉じた。
このイベントの主催者が、ハンドメイド作家であり、クリエイターのeriさんだ。「流山で自分の好きな人たちをギュッと集めてみたかったんです!」。思い立ったら即行動という彼女のバイタリティの源泉はどこにあるのか?クローズアップしてみたい。
生まれ育った流山で、誰もやったことのないことをやってみたい
ネイリストからスタートしたeriさんのキャリアを一言で表現するならば「好奇心」という言葉がふさわしいのかもしれない。
根っからの負けず嫌い、何でも一番を目指したい性格は仕事にも活き、ハイパフォーマンスを発揮し続けた eri さんは、その後もアパレル、ファッション、人材育成など幅広い業務を経験する。「ワクワク感が人生を後押ししてくれた」。当時を述懐する eri さん。人気クリエイターが、なぜ流山に行きついたのか、その軌跡が興味深い。
現在の活動の原点。それは育児中に知った故郷・流山の子育てコミュニティ「Nakocco(なこっこ)」だった。このコミュニティは、子育てを共に楽しむ・考える・助け合うことを目的に活動している子育て支援グループ。面白いのは子育て中のママたちが主体的に運営している地域コミュニティであることだ。
「産後不安な中、私はこのコミュニティにとても助けられたので、自分も当事者意識を持って流山に恩返しがしたいと思うようになりました。何かできないかなと考えていた時、友人の紹介で知った『おひるねアート』に、どハマりしちゃって(笑)。今思うとこれが転機でしたね」。
ここからが eri さんの真骨頂。
思い立ったら吉、すぐに行動に出る。
まず『おひるねアート』の講師になるべく、すぐに資格を取得。イベントを開くなど、精力的に動いた。 eri さんは確信する。「この活動の中で、参加者のママさんが笑顔になったり、楽しそうにしてくださったり…私がやりたかったことはこれだと。もっと笑顔になれる機会を増やしていきたいと強く思ったんです」。
しかし、順風満帆ではなかった。2020年より世界的に流行した新型コロナウイルスの影響により、撮影会の開催にも多くの規制が設けられ、自身が理想とする表現の場を失った eri さん。
「今の状態は、自分のやりたい形とは違う。私は機会を通じてコミュニティなど、人のつながりを作りたい」。
コロナ禍を通じて改めて気付いた自分の本当の気持ち。パステルカラーや小物を使ったアートも手掛けていたこともあり、ハンドメイド作家へと転身することを決断する。
ハンドメイド作家として本格的に活動して2年が経過した。自身が作ったハンドメイド商品をイベントに出展したり、親子で楽しめるワークショップを実施するなど活動の幅を広げていく中、子育て、アート、ダンスなど各方面で活躍するスペシャリストに出会う機会に恵まれ、あることを思うようになる。今回のきっかけも、そう。ワクワクの好奇心だ。
「この素晴らしい出会いを集めたらすごいことになるかもしれない。思うだけでなく形にしよう!生まれ育った流山で誰もやったことのないことをやってみたい。」大規模イベントの開催を決断したのだ。気が付いたら、イベント会場のキッコーマンアリーナに電話をしていたというから、その行動力には脱帽する。
まさに eri さんらしい、 eri さんしかできないアクションと言えよう。
eriさんの中心には、いつもワクワクがある。
流山市最大級のハンドメイドイベント「Candy marche(キャンディ・マルシェ)」。ハンドメイドに特化した大規模マルシェは、ありそうでなかったイベントとして流山市民の心をつかみ、多くの人が足を運んだ。
そして、 eri さんは次のステップを見据えている。「周りに合わせて自分を閉じ込めてしまうのではなく、自分の「好き」を貫くこと。これはとても大切だと思います。だから、私は「ゆめかわ(夢のようにかわいい)」と言うコンセプトで活動をしています。大人も子供も夢を見続けるって絶対必要なことだから」。
「ゆめかわ」なお店やイベント。
eri さんは、いつもワクワクで満ちている。そして、気づいた時には動いている。
好奇心と行動力が伴う eri さんの可能性は無限だ。